スタ☆タン!!IN松山

2021年4月6日

◆概要

~あなたの「こだわり」をステージで観る~『スタ☆タン!!Z in 松山』

 日時:2021年2月13日(土) 14:00〜17:00

会場:シアターねこ(愛媛県松山市緑町1-2-1)

司会:杉山田スギオ

実況:アデランス杉並

解説:鯰川多ヌ吉

パネリスト:牛島光太郎(美術家)、越智雄磨(ダンス批評)、鈴木美恵子(シアターねこ)、豊島吾一(今治高等学院)

進行:戸舘正史(松山ブンカ・ラボ)

オンライン配信:ツイキャス(インターネットラジオ)

◆解説

愛媛県松山市の小劇場・シアターねこで開催した『スタ☆タン!!Z in 松山』。会場でのリアル開催に加え、オンラインの音声配信も実施。司会は松山を代表する地産地消アーティストの杉山田スギオが努め、アデランス杉並と鯰川多ヌ吉は会場の様子を豊かに実況・解説した。第一部では、7組の出演者がコスプレや朗読、ダンスなど独自の世界観が滲み出る多様な表現を見せた。第二部では愛媛県で活躍する表現に関わる登壇者7名を迎えトークセッションを行った。スタ☆タン!!初上陸の松山の地で起きたいくつもの表現に観客も呼応し、舞台と観客席には熱い一体感が生まれた。

◆演者 と「演目」

第一部 出演

1 しょうたろう 「いきものだいすき」

2 クリエイティブサポートレッツ「とびうおライブ」

3 ゆき「コスプレ朗読」

4 豊島足穂「ぼくの国」

5 青砥一家「ritual」

6 ナオミキャンベル「絵日記」

7 松宮ブンカ・ラボ「つくること」

第二部 トークセッション

「表現について考える」

◆見所

第一部では、サンショウウオやカエルに関するエピソードの紹介やクイズ、静岡県浜松市からzoomを通じたオンライン演奏、「鬼滅の刃」のコスプレで詠む自作の詩、自らが5歳の時に考案した架空の国についての紹介、朝起きてお祈りとして家族で踊るダンス、誰にも見せることのなかった過去から現在に至るまでの絵日記の朗読、等身大の自分の模型とこれまでつくってきたものを振り返る、など様々な表現が披露された。

第二部では、第一部の表現について振り返りつつ、パネリストが想う表現について議論を交わし、出演者のために各々が賞の名前を創作した。

◆感想

「多様性」とか「寛容性」とか「社会包摂」とか、スタ☆タンをまるっと形容するための便利な言葉が巷間あふれていますが、そういう言葉をつかうとこぼれ落ちていくような奥深さがスタ☆タンにはあったと思います。この類の活動というものには、ついつい社会的意義を見出しがちですけれど、社会を構成するのは、わたしやあなたという“ひとり”の存在なんですから、スタ☆タンに参加するひとりひとりにとって、何か変化が起きるきっかけになっていれば嬉しいですね。松山ではスタ☆タンをシアターねこという小劇場で開催しましたが、こういうプログラムをあえて劇場で実施することによって「劇場が社会に開かれる」というよりも「劇場がひとりひとりの個とつながる場所」であるということを発信できたらよいなぁとも考えています。まあ、劇場でなくてもよいのですけど、松山のような地方都市において、懐の深い表現や“表現未満。”を引き受けてくれる場所ってあんまりないものですから。

戸舘正史 松山ブンカ・ラボ ディレクター

「スタ☆タン!!Z in 松山」は、多種多様な表現を観ることができた機会で、胸がぽかぽかするような幸せを感じる空間と時間だった。本番前日までどんな内容になるのか、内側にいるスタッフの私でもわかっていなかったのだが、ふたを開けてみると、表現の奥深さに圧倒されっぱなし、驚きの連続だった。登壇者、司会、実況、鑑賞者が一体になって出演者の背中を押し、その表現を見守り受け入れる、そんな温かな、熱のこもった企画だったように思う。大人になってもうだいぶ時間が経つけれど、いつからだろう、毎日の仕事に右往左往し、自分がしたいことの衝動を打ち消してきたのは。いやいや、ストレス社会で生きる私たちだからこそできる表現もあるはず!様々な世代の多様な表現をまだまだ見たい!そう思ったきっかけをもらった日になった。誰もが他人の表現について、怒ったり否定したりしない、なんとなく理解しようとしてみたりする、そんな奇跡が「スタ☆タン!!」なのだと感じた。

松宮俊文 松山ブンカ・ラボ プログラムオフィサー

◆松山ブンカ・ラボとは

松山ブンカ・ラボは、松山市が策定した文化芸術振興計画を実現するため、愛媛大学の寄附講座としてプログラムを企画・実施していく事業。通年で様々なプログラムを実施している。連続講座「まちと文化とアートの学校」では毎回様々なテーマのもと、ゲストスピーカーを招いて開催。加えて定期的にシンポジウムやワークショップを実施している。そのほかに県外のアーティストを松山市に招き、複数年にわたり松山の文化や歴史などをリサーチ・発信するアートプロジェクトを進行中。どのプログラムも自由に参加・見学することができる。ウェブサイトでは、プログラムなどの告知やこれまでの活動のアーカイブに加え、松山市で文化的活動を実践している方へのインタビュー記事「まつやま文化人録」を掲載し、情報を発信している。

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