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ラブソングは突然に…

これは、偶然に偶然が重なり生まれたあるラブソングのお話。

ある夜のたけし文化センター。
スタッフ・チハナさんとULTRAヘルパーのサメさんが一枚の紙にむかい頭を悩ませていた。

それはサメさんが書き溜めていた詩である。タイトルは「片思い」。
今までそういう創作の習慣はなかったのが、半年前から詩を書き始め、ヘルパー仲間などに言い回っていた(本人は否定していたが、他ヘルパー談…笑)というサメさん。
それを見たチハナさんが「これはとてもよい!」と思い、どうにか形にして消化できないかと二人で頭を悩ませていたのだった。

詩は詩でひとつの完成をしているのでは?と思うが、どうやらちょっと違うらしい。サメさんは溢れる表現に身を任せ詩を書いたものの、いざできたものは自分でもクサいと思うんだよね、と言う。細部まで見ると納得行かない部分もあるらしい。

チハナさんはそんなサメさんの詩を「サメさんの詩はストレート生搾り」と表現する。

「カッコつけようとしてクサいんじゃないんですよ。サメさんのは生搾り100%、そのまんまなんです。わたしはどちらかと言うと物事をハッキリさせたいタイプなので、最初はこの詩を読んで、当たって砕けちまえばいいのに!と思ったんですよね。ただ、自分の内面をどストレートに表現していることにぐっときて、ちゃんと歌にして皆に聴いてほしいと思いました。その過程で、「片思い」という、成就しない行為を続けるって、すごく忍耐のいることじゃないかと、決して白黒つけるのがいいわけじゃないのでは?と思うようになったんです。」

二人の中で、曲をつけて歌にするのが良いかと思われたが、二人とも楽器はできない。

そんなところにたまたまやってきたのが、サカタさんだ。


彼は街中のクラブで音響などをやっているお兄さんで、レッツの音楽イベントにも時々音響として協力してくれている。そんな彼は頻繁にたけし文化センターを訪れるわけではないが、この夜はたまたま前日の夜にわたしが手芸部をやっていて、「こういうこともしてるから遊びにきなよ~」と言っていたら次の日ふらっと来た。

そんな彼らが偶然たけぶんで鉢合わせ、話をしているうちに楽器をできるサカタさんがサメさんの詩に曲をつけることになったのであった。サカタさんも詩が先で曲を作る、ということは初めてだったらしく、お互い手探りの創作となった。

チハナさん曰く、サカタさんにより曲がつくことで、「生き物」のようになったという。秘めていたものを詩という形で表出し、それが歌になり息を吹き込まれ、玄関ライブで大勢のみんなの前に姿を表した。

みな表情は晴れ晴れとしていて良い消化の仕方ができたのだろう。サメシマ100%のラブに、サカタさんのゆる~っと淡々と、でも真摯な寄り添い方のなせるわざ、そしてグッと来たチハナプロデューサー(とサメさんは言う)の陰ながらのアツい後押し、其のすべてが偶然にもうまく融合して生まれた一作なのだ。

ちなみに今回はサメさんが詩を書き、チハナさんの琴線に触れ、そこにたまたまサカタさんが来たという偶然が色々重なってできたもので、これがユニットになったとか、次回作があるというわけではない。(サメさんはバンドをやりたがったり、チハナPの力をもう一度借りようとしていたが…)そんな感じもとてもいい。

そんな偶然の産物、煌めきは大勢が見守る中、玄関ライブで披露されました。ぜひご覧ください!(1時間42分頃)

(一連を目撃した筆者:ふきこ)

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