【スタッフ所感】 ゲスト:髙橋久美子さん [ちまちまトーク2024] - 特定非営利法人 クリエイティブサポートレッツ
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【スタッフ所感】 ゲスト:髙橋久美子さん [ちまちまトーク2024]

【スタッフ所感】 ゲスト:髙橋久美子さん [ちまちまトーク2024]

ゲスト:髙橋久美子さん(古本屋サイダーハウス・ルール)

ちまちまトークでは、古本屋サイダーハウス・ルールの店主である髙橋久美子さんをお迎えし、開店までの経緯や現在の活動についてお話を伺いました。イベントの後半にはムラキングさんも登壇し、さらに深い議論が展開されました。

 

髙橋さんは、知的障害のある娘さんを育てる中で啓発活動の必要性を感じ啓発隊(浜松キャラバン隊)立ち上げ、その後、精神保健福祉のNPO法人通称E-JAN(イージャン)の副代表理事として活動を続ける中で、障害者の居場所づくりに関心を持つようになりました。その思いが形となり、サイダーハウス・ルールの開業につながりました。

 

お店の構想が生まれたのは約2年前。夫から「古本屋をやらないか?」と提案されたことがきっかけでした。浜松市内の古本屋を巡りながら学び、イベント出店を通じて経験を積む中で、2023年秋に「八月の鯨」の店主から店舗を継承しないかと声をかけられ、本格的に開業を決意。しかし、準備の最中に夫が病気で他界するという大きな出来事がありました。それでも髙橋さんは、夫との会話の中で交わした思いを受け継ぎ、2024年4月16日にサイダーハウス・ルールをオープンさせました。

 

このお店は、単なる古本屋ではなく、人が自然と集まり、つながる場を目指しています。障害のある人を含むさまざまな人が交代で店番を担当する「店番制度」を導入し、地域の人々が気軽に関われる仕組みを作っています。また、映画『サイダーハウス・ルール』にちなんでアップルサイダーを提供し、温かい雰囲気を演出。棚貸し制度を導入するなどして、来店者同士が自然に会話を楽しめる空間づくりにも力を入れ、定期的なイベントを通じて交流を深めています。

 

今後の展望としては、店番制度を継続しながら、より多くの人が関われるようにすること、そしてパートナーを亡くした人々が集まり、互いに支え合う場としての役割を広げることを考えているとのこと。さらには、障害のある人の就労の場としての可能性も模索していくそうです。

 

古本屋サイダーハウス・ルールは、単なる本屋ではなく、さまざまな人が関わりながら育てていく温かいコミュニティのような印象を受けました。まさに、映画『サイダーハウス・ルール』が描く世界のように、人々が支え合いながら共に生きる場所になっていくことでしょう。

 

(松宮俊文)